プロジェクトストーリー

Project Story 01

地域のために、人々のこれからのために。
大規模防災インフラで紡がれる
技術者たちの情熱の記録。

高低差や狭小地など、
多くの課題に立ち向かった護岸改修工事。
困難を乗り越えたのは、知恵と工夫、
そして技術者たちの情熱でした。

西田 純
入社22年目

工事部工事長

西田 純

Jun Nishida

西岡 佑高
入社21年目

復旧工事部

西岡 佑高

Yusuke Nishioka

西村 大輝
入社4年目

工事部

西村 大輝

Daiki Nishimura

尼崎西宮芦屋港護岸
南芦屋浜北護岸改修工事(その1)

工事概要
施工延長 740m
コンクリート堤防 370㎡ 等
発注者
兵庫県さま
所在地
芦屋市陽光町
工期
約15カ月(令和4.2/17~令和5.5/31)

地域の人々を守るために、
大規模防災インフラに挑む。

「尼崎西宮芦屋港護岸 南芦屋浜北護岸改修工事(その1)」は、芦屋市陽光町で実施された防災インフラの大規模整備です。地域の安全を守るための重要な高潮対策として実施されたもので、施工延長は約740メートル。対象範囲は高水敷と低水敷の両方にわたり、現況護岸の約1.0メートルの嵩上げと、それに伴うコンクリート堤防の打設が主な内容です。
工事で使用されたコンクリートは2,200立方メートル、堤防の施工面積は約370平方メートルにのぼります。この大規模な施工にあたっては、両側に他工区が隣接していたため、資材の搬入や重機の移動に多くの制約が発生。そこで、大型土嚢を活用した仮設坂路を設置し、安定した作業経路を確保する工夫が求められました。また、他工区の担当者と密に連携しながら、工程調整や安全対策の打ち合わせを繰り返し行うことで、トラブルや事故の未然防止に取り組みました。
約15カ月にわたり、天候の変化や季節ごとの気温差にも配慮しながら、工程は着実に前進しました。計画通りに竣工を迎えた護岸は、現在、地域の安心と安全を支える重要な防災施設として機能しています。施工に関わったすべての人々の努力の結晶であり、地域社会への大きな貢献を実感できるプロジェクトとなりました。

地域の人々を守るために、大規模防災インフラに挑む。

技術と工夫で乗り越える、
難条件の施工現場。

この工事の特徴のひとつは、施工規模の大きさと地形条件による多様な施工課題です。現場代理人を務めた西田は、「施工延長約740メートル、コンクリート打設量が2,000立方メートルを超えるこのような大規模な現場で、高水敷と低水敷の高低差を踏まえながら、効率的な施工計画を実現するには多くの苦労がありました」と語ります。
西田はこれらの条件に対し、重機や車両が通行できる安全な仮設ルートの確保を最優先に、早い段階から現地調査と施工計画に取り組みました。そして、低水敷側に仮設坂路を構築することで、狭い施工ヤード内でも動線が確保され、各作業のスムーズな進行が実現しました。さらに、現場内に存在する低い橋梁が重機の移動範囲を限定することとなるため、仮設の配置や工程を柔軟に変更しながら進行しました。
西岡は「全体の進行に支障を出さない責任の重さを強く痛感しました」と振り返ります。季節の変化によって気温が大きく変動する中でのコンクリート打設では、温度管理が欠かせません。現場ではオンラインの温度計や秤を活用し、リアルタイムで状態を可視化しながら品質維持に細心の注意を払いました。最年少の西村は「コンクリートの分離やひび割れを防ぐ工夫に最大限の注意を注ぎました」と語り、養生マットによる断熱管理など、難しい品質管理に積極的に取り組みました。こうした厳しい条件の中で培った知恵と工夫は、今後の現場運営にも大きな糧となることでしょう。

技術と工夫で乗り越える、難条件の施工現場。

挑戦の連続の中で、
未来は着実に育まれていく。

約15カ月にわたる大規模な護岸改修工事を経て、3人の技術者たちはそれぞれに大きな学びと成長を実感しています。西田は、「コンクリート施工の品質管理や施工手順の見直しが、自分にとっての転機になりました」と振り返っています。これまで多くの土木インフラ整備に携わってきた西田にとっても、今回の工事は新たな視点を得る貴重な経験でした。「将来的には、より規模の大きなプロジェクトに挑み、地域に貢献する『形に残る仕事』を追求したいです」と強い意欲を示しています。
一方、西岡は、「自分が工事の中心に立てる自信を持てたのは、この現場のおかげです」と話します。自身初の大規模構造物工事を成功させたことで、確かな自信を得ることができました。今後も新技術や施工手法の習得に努め、どんな工事でも安心して任せてもらえる技術者を目指しています。
そして2022年入社の若手、西村にとっても、この工事は大きな転機となりました。写真撮影のポイントや安全書類の作成、さらにはコンクリート品質管理など、現場でしか得られない実務経験を積み重ねました。これらの経験が今後の成長の基盤となることでしょう。
立場や年次、経験は異なっても、ひとつの工事を通じて一丸となり困難を乗り越えた技術者たち。護岸の完成とともに、彼らの未来への歩みも静かに、しかし確実に力強く続いていきます。彼らの挑戦は、地域社会の安全を支える礎としてこれからも輝き続けるはずです。

挑戦の連続の中で、未来は着実に育まれていく。